どんな料理
米を牛肉スープ(broth)で調理するイタリアの料理。
名前
・riso = 米
・tto = ottimo = 最高
※他説あり

リゾットの誕生
1400年代、スペインがイタリア南部に米を持ち込み、それが北部へ伝わりました。
同じ頃に飢饉が北イタリアを襲ったため、マイナーだった米が食べられるようになり、北イタリアで水田が普及します。

米粉でパンを作ろうとするも失敗。
米をスープに入れて食べるようになりました。
ミラノやトリノでは、米をバターやオリーブオイルで調理して、スープで煮込むスタイルが生まれます。
現代のリゾットとほぼ同じものですね。
当時のミラノはスペインが支配していたので、もしかしたらパエリアの影響を受けているのかもしれません。

1574年、あくまでも伝説ですが、サフランを用いたリゾットが誕生します。
生み出したのは、ミラノ大聖堂のステンドグラスを制作していた職人…ではなく、その助手です。
着色に用いるサフランの使い方が上手かったその助手は、職人の娘の結婚式で、サフランで着色した米料理を提供することを思いついたのです。
この料理はジョークとして作られたのですが、味も見た目も高く評価されました。
危険視された米
米文化が育まれていくと思いきや、米はイタリアで嫌われてしまいました。
1500年代、米農家の多くがマラリアに感染したため、米はマラリアを引き起こすと、誤解されてしまったのです。
多くの水田が破壊され、イタリアでの米文化は中断しました。
マラリアは蚊や水が原因ですが、当時はそのことが知られていなかったのです。
ミラノリゾットの誕生
しかし、時の経過とともに、医学が進歩しました。
米とマラリアは無関係であることが少しずつ知られるようになり、
・1779年、「米と玉ねぎをバターで調理して、スープで湿らせたもの」が記録されました。
・1809年、「バター、牛骨髄、玉ねぎと一緒に調理した米を、サフランスープで湿らせる」というものが、料理本に掲載されます。
・1829年、初めて「リゾット」という名前が記録されました。
ミラノのシェフが、すりおろしたチーズも加えるなどして、「ミラノリゾット(Risotto alla milanese giallo)」と名付けたのです。

ミラノリゾットは、ロンバルディア地方(州都はミラノ)で広く知られるようになり、北イタリア全土にリゾットが広まりました。
第二次世界大戦時には米も配給されたので、これもリゾットのさらなる普及に大きく関与しています。

感想
私は米を愛しています。
毎日食べなければ落ち着きません。
リゾットは、私が日常的に食べている米とは味も食感も見た目も異なります。
が!柔らかくてしなやかなリゾット独特の食感。たまりません。
現地ではオッソブーコという仔牛のすね肉を煮込んだものと一緒に食べるのですが、リゾットだけでも充分美味しいです。
誰かがオッソブーコを作ってくれるのなら、迷わず一緒に食べますけどね笑

ミラノリゾットのレシピ
Ingredients
No.1
- 900 ml ビーフブロス その他各種ストックなどでもOK
No.2
- 1 大さじ オリーブオイル
- 20 g バター
- 1 玉ねぎ みじん切り
No.3
- 300 g 米 洗わない
- 100 ml 白ワイン
No.4
- 1 つまみ サフラン
No.5
- 20 g バター
- 40 g パルミジャーノレッジャーノ すりおろし
- Free 塩
Instructions
- ビーフブロスを沸騰させる。沸騰したら極弱火にしておく。
- オリーブオイルとバターで玉ねぎを炒める。弱火で1-2分。
- 米を加える。1-2分炒める。ワインを加え、混ぜながら蒸発させる。
- ブロスをお玉一杯注ぐ。ブロスが吸収されたら再びお玉一杯注ぐ。途中でサフランも加える。よく混ぜる。再びブロスを注ぐ。再びよく混ぜる。これを繰り返します。※最初のブロスを注いでから、約15分調理します。※または、お米がアルデンテになり、濃厚でクリーミーになるまで行います。※お玉一杯分のブロスを残しておきます。
- 火を止める。ブロス、バター、パルミジャーノレッジャーノを加える。よく混ぜる。必要であれば塩も加える。蓋をして5分放置する。完成
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