どんな料理?
肉や魚介類などと一緒に米を調理する、ドミニカ共和国の料理。
スペインのパエリアにルーツがある料理です。
鶏肉や豚肉を用いたものが一般的ですが、サラミやイワシで作ることもあります。
今回は、スパイシートマトソースに漬け込んだイワシで作りました。

名前
・Locrio = Locro + Criollo
・Locro = ジャガイモやトウモロコシ、豆、野菜、肉で作る南米のシチュー。原産地はアンデス。
・Criollo = ヨーロッパ人の子孫で、アメリカ大陸で生まれた人etc

歴史
イスラム、スペイン、先住民タイノ族、アフリカ。
ロクリオは、これらの文化が全て混ざった料理です。
「イスラムとスペイン」
711年、イスラム帝国によるスペインの支配がはじまりました。このときに、米やサフランがスペインへ持ち込まれます。
その結果、米、サフラン、地域の食材を、スペインのオリーブオイルで調理するパエリアが誕生しました。
「スペインとドミニカ共和国」
1492年、クリストファー・コロンブスが、ドミニカ共和国に上陸します。
その4年後、彼の弟バーソロミュー・コロンブスが、ドミニカ共和国の現首都サント・ドミンゴを建設しました。
この頃からスペイン人が定住するようになり、ドミニカ共和国で入手できる食材で、パエリアを作ったのです。

「先住民(タイノ族)とアフリカ」
スペイン上陸前のドミニカ共和国には、南米から移住してきた先住民(タイノ族)が暮らしていました。
彼らはアンデスにルーツがある民族です。Locroというシチューを食べていました。
コロンブス上陸後、タイノ族は奴隷にされたほか、その多くが病で命を落としてしまいます。
そのため、失われた労働力を補うために、多くの人がアフリカからドミニカ共和国へ連れてこられたのです。
こうしてアフリカの文化も加わりました。

イスラムがスペインへ米などを持ち込んだ結果、パエリアが誕生。
スペインがドミニカへパエリアへ持ち込んだ結果、タイノ族とアフリカの文化も加わり、ドミニカ版パエリアとも言えるロクリオが誕生しました。
19世紀までは貧しい農民の料理という扱いでしたが、美味しさと栄養価から、現代ではドミニカを代表する料理の一つに数えられています。
※この料理の正確な歴史は不明です。上述したものは推測です。

感想
イワシのロクリオを作る場合、現地では「pica pica」という名前の缶詰を使います。ただ、私は入手できませんでした。
また、粘りが少ない米が使われています。
そこで、今回はポルトガル製の缶詰と、インディカ米(タイ米)で作りました。
4人分作ったのですが、食欲を抑えることが大変なくらい美味しかったです。
かすかな辛さとかすかな酸味。パラパラしたお米。ここに「おこげ」の食感も加わる…たまりませんね。最高ですよ。
日本の米で作ったこともあるのですが、インディカ米で作った今回のほうが圧倒的に美味しかったです。
もしこれを試される場合は、ぜひインディカ米でお試しください。
※今回はこちらのレシピを参考にさせていただきました。

ロクリオのレシピ
Ingredients
No.1
- 160 g いわし缶詰(ホットトマトソース漬)
No.2
- 3 大さじ オリーブオイル
- 15 g ニンニク
- 3 ピーマン さいの目切り
- 1 セロリ さいの目切り
- 100 g コリアンダー
No.5
- 650 ml 水 米の種類やお好み次第
- 2 つまみ 塩
- 450 g 米 タイ米を使用
No.8
- 2 大さじ オリーブオイル
Instructions
- トマトソース(缶詰)からイワシを取り出して置いておきます。
- オリーブオイルでニンニク、ピーマン、セロリ、コリアンダーを炒めます。弱火で約2分。
- イワシを半分加えます。よく混ぜます。
- 中火にして、トマトソースを加えます。よく混ぜます。
- 水と塩を加えて味を調整します。沸騰させます。沸騰したら米を加えます。定期的にかき混ぜます。
- 液体が蒸発したら、残りのイワシを加えます。よく混ぜます。
- 蓋をして、極弱火で15分調理します。
- オリーブオイルを加えます。ご飯を下から上へよく混ぜます。
- 蓋をして、極弱火で5分調理します。※必要に応じて、さらに数分調理します。完成
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